インフラエンジニアが職務経歴書を書くとき、「サーバ運用を担当しました」「障害対応をしていました」「ネットワーク構築に携わりました」といった業務名だけで終わっていないでしょうか。
同じ「運用」や「構築」でも、実際に何を扱ったのか、何をしたのか、どこまで任されていたのか、自分で判断したのかによって、経験の内容は変わります。
そのため職務経歴書では、業務名だけを書くのではなく、実際に経験した仕事を、読み手が判断できる情報に整理します。
結論|職務経歴書は「何をしたか」だけでなく「どこまで任されたか」まで書く
インフラエンジニアの職務経歴書では、経験を次の5つに分けると、担当していた仕事内容を具体化しやすくなります。
- 何を扱ったか
- 何をしたか
- どこまで任されたか
- どこで自分が判断したか
- 最終的に何を担当していたか
例えば「サーバ運用を担当」と書くだけでは、実際の仕事内容までは分かりません。
「Windows Serverの稼働確認、イベントログ確認、バックアップ確認、アラート対応を担当」とすれば、実際の作業が見えてきます。
さらに障害対応まで担当していたのであれば、
「障害発生時にはログを確認し、原因の切り分けと一次対応を担当」
など、どこまで任されていたのかも記載できます。
職務経歴書は経験を大きく見せるためのものではありません。実際に何を担当していたのかを、業務名だけで終わらせず具体的に伝えるためのものです。
この記事でわかること
- 自分の経験を5つの視点から整理する方法
- サーバ運用や障害対応を具体的に書く方法
- チームで担当した仕事と自分が担当した仕事を分ける方法
- 指示を受けて行った作業と、自分で判断した作業を整理する方法
- 職務経歴書で担当範囲を伝えるための書き方
職務経歴書は「仕事内容」を分解すると書きやすくなる
「サーバ運用」「ネットワーク構築」「障害対応」といった業務名だけでは、具体的な経験までは伝わりません。
自分の仕事内容を次の5つに分けて確認します。
①何を扱ったか
自分が実際に扱っていた環境や製品、技術を確認します。
例えば、
- Windows Server
- Linux Server
- ネットワーク機器
- クラウド環境
- 仮想基盤
- 無線LAN
- 監視システム
などです。
同じ「サーバ運用」でも、Windows ServerなのかLinux Serverなのか、仮想基盤を含むのかによって、担当していた環境は異なります。
②何をしたか
その環境に対して実際に行った作業を書き出します。
例えば、
- 稼働状況の確認
- ログ確認
- バックアップ確認
- アラート対応
- 問い合わせ対応
- 設定変更
- 障害対応
などです。
「運用していた」だけではなく、実際にどのような作業を担当していたのかまで具体化します。
③どこまで任されたか
同じ作業でも、担当していた範囲は人によって異なります。
例えば障害対応なら、
「障害発生時の一次切り分けを担当」
と、
「障害発生時のログ調査、原因切り分け、設定変更、復旧まで担当」
では、任されていた範囲が違います。
職務経歴書では、自分の担当がどこまでだったのかを記載します。
④どこで自分が判断したか
自分で状況を確認して対応を決めていた場合は、その範囲も記載します。
例えば、
- どのログを確認するか
- どの原因を候補にするか
- 追加で何を確認するか
- 設定を変更するか
- どの方法で復旧するか
- どの段階でエスカレーションするか
などです。
ただし、自分で判断した仕事だけを特別な経験として扱う必要はありません。
手順書に沿ったサーバ設定変更や、定められた手順によるバックアップ確認、指定された項目のログ確認、決められた手順による機器交換も、実際に担当した仕事です。
自分で判断した作業がある場合は、その判断した範囲を事実として記載します。
⑤最終的に何を担当していたか
ここまで確認した内容を、自分の担当範囲としてまとめます。
例えば、
「サーバ運用を担当」
だけで終わらせず、
「Windows Serverの稼働確認、イベントログ・バックアップ確認、アラート対応を担当し、障害発生時にはログ調査と一次切り分けまで担当」
とすれば、実際の仕事内容が伝わります。
業務名ではなく、何を扱い、何を行い、どこまで任されていたのかまで書くことで、経験の内容が明確になります。
チームで行った仕事と自分の経験を分ける
インフラ案件では、複数の担当者がそれぞれ別の工程を受け持つことがあります。
例えば、
- 設計:別担当
- 構築:自分
- 試験:別担当
という体制だった場合、案件全体では「設計・構築・試験」を行っています。
しかし、自分の経験として記載するのは、実際に担当した構築です。
「ネットワーク更改案件で構築を担当」
と書けば、自分の担当範囲が分かります。
一方、
「ネットワーク更改案件で設計から構築、試験まで担当」
とすると、実際には担当していない工程まで経験として広げることになります。
「案件で構築した」と「自分が構築した」は同じではありません。
案件全体で行ったことと、自分が担当したことを分けて記載します。
職務経歴書では「担当したこと」と「任されたこと」を分ける
職務経歴書を書く前に、自分の経験を一度棚卸ししておくと、記載する内容を決めやすくなります。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 担当したこと | 自分が実際に行った作業 |
| 任されたこと | 自分が担当する範囲・責任 |
| 判断したこと | 自分で状況を確認して決めたこと |
| チームがやったこと | 案件全体で実施したこと |
例えば「障害対応をしていた」という経験なら、ログ確認をしていたのか、一次切り分けまでだったのか、原因調査まで担当したのか、設定変更や復旧まで行っていたのかを確認します。
そのうえで、自分で判断した部分と、手順や指示に沿って実施した部分を分けます。
案件全体の仕事と、自分が担当した仕事が混ざらなければ、職務経歴書にも実際の経験を反映しやすくなります。
サーバ運用は「運用」だけで終わらせない
「サーバ運用を担当」という表現だけでは、具体的に何をしていたのか分かりません。
実際の作業が次のような内容なら、
Windows Serverの稼働確認、イベントログ確認、バックアップ確認、アラート対応を担当
と具体化できます。
さらに障害対応まで行っていた場合は、
障害発生時にはイベントログや各種ログを確認し、原因の切り分けと一次対応を担当
と書けます。
原因を切り分けた後に設定変更まで行っていたのであれば、
原因切り分け後、必要な設定変更を実施し、復旧確認まで担当
という形です。
「サーバ運用」という業務名の中に、どのような作業を含んでいたのかを具体的に記載します。
障害対応は「何をしたか」まで分解する
「障害対応を担当」という記載も、担当範囲によって内容が変わります。
例えば、
障害発生時の一次切り分けを担当
であれば、一次切り分けまでが担当範囲です。
一方、
障害発生時のログ調査、原因切り分け、設定変更、復旧まで担当
であれば、復旧までの対応を担当していたことが分かります。
障害対応では、案件によって、
- ログ確認
- 原因候補の確認
- 切り分け
- 設定変更
- 復旧
- 再発防止
- 関係者への報告
などを行う場合があります。
ただし、これらがすべての障害対応で同じように行われるわけではありません。
案件の規模や体制、担当する役割によって、どこまで受け持つかは変わります。
自分が実際に担当した範囲を確認し、その内容を職務経歴書に記載します。
職務経歴書は経験を大きく見せるためのものではない
職務経歴書では、担当していない仕事まで経験として広げません。
例えば、実際には構築と運用だけを担当していたのであれば、
設計から構築、運用まで担当
とは書きません。
設計書をもとに構築していたのであれば、
設計書をもとに構築を担当し、試験後の設定確認まで実施
というように、実際の担当範囲を記載します。
経験していない仕事を追加する必要はありません。
手順書に基づく作業も実際の経験です。指示を受けて行った作業も、担当した仕事として記載できます。
自分で判断した経験がある場合も、その判断した範囲を具体的に書きます。
どちらかを上位の経験として扱うのではなく、実際に何を担当していたのかを正確に記載します。
職務経歴書を書くと、これまでの経験も整理できる
職務経歴書を書くために過去の仕事を振り返ると、自分が実際にどこまで担当していたのかも見えてきます。
例えば、
「サーバ運用をしていた」
という認識だけだったとしても、具体的に振り返ると、
「監視だけではなく、ログ確認、障害切り分け、設定変更まで担当していた」
と分かることがあります。
反対に、案件全体では設計から運用まで行っていても、自分が担当したのは構築だけだったと分かる場合もあります。
こうして仕事内容を振り返ることで、案件名や経験年数だけでは分からなかった自分の担当範囲を確認できます。
現在の担当範囲を確認したい場合は、インフラエンジニア現在地診断|年数ではなく「今任されている仕事」で分かるで、今任されている仕事を確認できます。
整理した経験が市場でどのように見られるのかを確認する場合は、インフラエンジニアの市場価値はどう見る?どこまで任されているかで分かる評価も参考になります。
実際に求人や転職サービスと照らし合わせる段階では、インフラエンジニア転職サービス比較|求人・支援・機能の違いから選び方を整理で、求人・支援・機能の違いを確認できます。
転職するかどうかを先に決める必要もありません。
職務経歴書を書くことで、自分が何を経験し、どこまで任されていたのかを確認できます。
まとめ
インフラエンジニアの職務経歴書では、「サーバ運用」「ネットワーク構築」「障害対応」といった業務名だけで終わらせず、実際の担当範囲まで記載します。
確認するのは、次の5つです。
- 何を扱ったか
- 何をしたか
- どこまで任されたか
- どこで自分が判断したか
- 最終的に何を担当していたか
さらに、案件全体で行ったことと、自分が担当したことを分けます。
手順書や指示に基づいて行った作業も、自分が実際に担当した経験です。自分で判断した仕事がある場合は、その判断した範囲を具体的に記載します。
職務経歴書は、経験を大きく見せるためのものではありません。
自分が何を扱い、何を行い、どこまで任され、どこで判断していたのかを正確に確認し、それを読み手に伝わる形にするためのものです。
その過程で、これまでの仕事の中で自分が実際に担ってきた範囲も見えてきます。
