「転職すれば、今とは違う仕事ができるはず」と考えて転職したものの、入社後に前職と似た仕事を任されることがあります。
会社は変わった。
プロジェクトも変わった。
それでも、実際に任される仕事は前職とほとんど変わらない。
この状態では、転職によって仕事内容が変わると考えていた人ほど、「前と同じ仕事だった」と感じます。
会社が変わることと、仕事内容が変わることは別です。
転職後の仕事内容を確認するには、会社名や職種名ではなく、実際に何を任されるのかまで見る必要があります。
結論
転職後の仕事内容が変わるかを見るときは、会社名や職種名ではなく、現在と転職後で実際に任される仕事内容がどこまで変わるかを見ます。
「運用」「構築」「設計」などの工程名だけでは、仕事内容の変化を判断できません。
同じ「運用」でも、定型作業を担当する場合と、障害原因の調査や運用改善まで担当する場合では、実際の仕事内容は異なります。
見るべきなのは、担当工程だけではありません。
担当範囲、自分で判断する範囲、責任範囲、現在は任されていない仕事、転職後に追加される仕事まで確認します。
この記事でわかること
- なぜ転職しても前職と同じ仕事になることがあるのか
- 過去の経験が転職後の仕事内容につながる構造
- 工程名だけでは仕事内容の変化を判断できない理由
- 実際の担当範囲を見る必要がある理由
- 現在と転職後の仕事内容を比較する方法
インフラエンジニアが転職して後悔するのはなぜ?
転職後に「前と同じ仕事だった」と感じるのは、転職前に期待していた仕事内容と、転職後に実際に任された仕事内容の差が小さい場合です。
たとえば、転職前はこれまで経験していない仕事を担当できると考えていたにもかかわらず、転職後もサーバー監視や定型的な運用、一次対応を中心に担当するケースがあります。
この場合、会社もプロジェクトも変わっています。
しかし、実際に担当する仕事内容がほとんど変わっていなければ、仕事内容の差は小さいままです。
ここで問題になるのは、同じ仕事を担当すること自体ではありません。
転職によって仕事内容が変わると考えていたにもかかわらず、実際には担当する仕事内容の差が小さいことです。
転職しても前と同じ仕事になるのはなぜ?
転職しても仕事内容が似るのは、過去の経験が転職によってなくなるわけではないからです。
仕事内容が決まっていく流れを見ると、
過去の経験
↓
採用時の評価
↓
採用
↓
配属
↓
実際に任される仕事
という構造になります。
転職しただけで、それまでの経験や採用時に評価された内容がなくなるわけではありません。
転職しても過去の経験はなくならない
転職して会社が変わっても、それまで担当してきた仕事の経験は残ります。
これまで監視や定型的な運用を中心に担当してきた場合、転職後もその経験を前提として仕事を任されることがあります。
転職によって会社は変わっても、過去に担当してきた工程や作業経験までリセットされるわけではありません。
そのため、転職前と転職後で会社が変わっていても、実際に担当する仕事が似ることがあります。
採用時に評価された経験が転職後の仕事につながる
採用時には、それまでの経験が判断材料になります。
たとえば、運用経験を中心に積んできた場合、その経験を前提として採用され、配属後も運用に関する仕事を任されることがあります。
つまり、
過去の経験 → 採用時の評価 → 配属 → 実際に任される仕事
という流れです。
そのため、「転職したら未経験の仕事を任される」と考えるだけでは、転職後の仕事内容を判断できません。
どの経験が採用時に評価され、その経験を前提としてどの仕事を任されるのかを確認する必要があります。
会社やプロジェクトが変わっても担当範囲が変わるとは限らない
転職すれば会社は変わります。
配属されるプロジェクトも変わる場合があります。
しかし、それによって担当範囲まで変わるとは限りません。
たとえば、前職でも転職後でも「運用」を担当し、どちらも定型作業や一次対応が中心であれば、会社やプロジェクトが変わっても仕事内容の差は小さくなります。
つまり、
会社・プロジェクトの変更 ≠ 担当範囲の変更
です。
ここでは、会社やプロジェクトの違いではなく、実際に任される仕事内容を見ることが重要になります。
仕事内容が変わったかは「担当範囲」まで見る
仕事内容が変わったかを確認するときは、工程名だけで判断しません。
「運用」「構築」「設計」といった工程名は、仕事内容を大きく分類したものです。
同じ「運用」でも、実際の担当範囲によって仕事の内容は異なります。
たとえば「運用」には、
- 手順に沿った定型作業
- 一次対応
- 障害原因の調査
- 改善
- 自動化
- 設定変更
- 構成検討
などがあります。
そのため、「運用から運用へ転職した」という情報だけでは、仕事内容が変わったかどうかは判断できません。
現在と転職後を、実際の担当範囲まで具体化して比較する必要があります。
| 現在の仕事 | 転職後の仕事 | 仕事内容の変化 |
|---|---|---|
| 監視 | 監視 | 小さい |
| 運用 | 運用 | 小さい |
| 運用 | 障害調査 | 変化する |
| 運用 | 運用改善・自動化 | 変化する |
| 構築 | 構築 | 小さい場合がある |
| 構築 | 設計補助 | 担当範囲が変化する |
この表は仕事の優劣を示すものではありません。
現在と転職後の仕事内容の差分を見るための表です。
転職前に確認するのは「何を任されるか」
転職前に確認するのは、求人票にどの工程が書かれているかだけではありません。
確認するのは、その仕事の中で自分が実際に何を任されるのかです。
担当する工程
まず、どの工程を担当するのかを確認します。
監視、運用、障害対応、構築、設計補助など、担当する工程を整理します。
ただし、工程名だけでは実際の仕事内容までは分かりません。
「運用」と書かれていても、定型作業が中心なのか、障害調査や改善まで担当するのかによって内容は変わります。
現在と違う範囲まで任されるか
同じ工程を担当する場合でも、任される範囲が違うことがあります。
現在は手順に沿った運用を担当していて、転職後は設定変更や障害原因の調査まで担当するのであれば、工程名が同じでも仕事内容には差があります。
転職前には、現在と違う範囲まで実際に任されるのかを確認します。
現在は経験していない仕事を任されるか
求人票に「設計・構築・運用」と書かれていても、そのすべてを自分が担当するとは限りません。
プロジェクト全体では設計から運用まで必要でも、自分に割り当てられる範囲はその一部である場合があります。
確認する流れは、
求人票に書かれている仕事
↓
プロジェクトで必要な工程
↓
自分に割り当てられる範囲
↓
実際に任される仕事
です。
求人票に書かれている仕事内容と、自分が実際に担当する仕事内容は分けて考えます。
求人票の仕事内容と自分の担当範囲を分ける
「設計・構築・運用」のような求人票の表現は、プロジェクト全体の仕事内容を示している場合があります。
そのため、求人票に書かれた工程をそのまま自分の担当範囲として捉えないことが重要です。
確認するのは、プロジェクト全体で何をするのかではなく、その中で自分に何が任されるのかです。
現在と転職後の仕事内容を比較する
現在と転職後の仕事内容を比較するときは、同じ粒度まで分解します。
現在の仕事を「インフラ運用」のような大きな括りだけで整理すると、転職後も「インフラ運用」であった場合に、仕事内容の差を確認できません。
たとえば現在の仕事が、
- サーバー監視
- 定型的な運用
- 一次対応
であれば、転職後についても同じ程度の具体性まで確認します。
転職後が、
- 障害原因の調査
- 運用改善
- 自動化
- 設定変更
であれば、工程名だけを比較する場合よりも、実際の仕事内容の差を確認できます。
比較するときは、
「インフラ運用」対「インフラ運用」
のような大きな括りで終わらせません。
作業、担当工程、担当範囲まで分解して、現在と転職後を同じ粒度で並べます。
どちらが良いかではなく、現在から何が変わるのかを見ます。
現在の仕事内容を整理してから転職後との差分を見る
比較する前に、現在の仕事内容を基準点として整理します。
確認するのは、次の項目です。
- どの工程を担当しているか
- どこまで自分で判断しているか
- どの範囲に責任を持っているか
- どの作業を継続して担当しているか
- まだ任されていない仕事は何か
「運用を担当している」というだけでは、現在の仕事内容は十分に具体化できません。
どの作業を担当し、どこまで自分で判断し、どこから先は別の担当者が判断しているのかまで整理します。
現在の仕事内容を整理する際は、インフラエンジニア現在地診断|今の仕事内容からキャリアの現在地を確認するを使って確認できます。
ここで行うのは、転職後の仕事を確認することではありません。
比較の基準となる現在の仕事内容を明確にすることが目的です。
まとめ
転職しても前職と似た仕事になることがあるのは、転職によって過去の経験がなくなるわけではなく、その経験が採用時の評価、配属、実際に任される仕事につながるからです。
構造としては、
過去の経験
↓
採用時の評価
↓
配属
↓
実際に任される仕事
となります。
会社やプロジェクトが変わっただけでは、仕事内容まで変わるとは限りません。
そのため、転職後の仕事内容を見るときは、担当工程だけでなく、
- 担当範囲
- 自分で判断する範囲
- 責任範囲
- 現在は任されていない仕事
- 転職後に追加される仕事
まで具体化し、現在との違いを確認します。
「運用」「構築」「設計」といった工程名だけではなく、実際に何を担当するのかまで分解することで、仕事内容の差分を確認できます。
見るべきなのは、会社が変わったかではなく、転職後に実際に任される仕事内容が現在からどこまで変わるのかです。
