「インフラエンジニアは需要ないのでは?」と考えたとき、単純に求人の多さだけを見ると判断を誤る可能性があります。
企業によって、インフラエンジニアに任せたい仕事は異なります。
監視や定型対応を求める企業もあれば、障害対応、構築、設計など、異なる工程や技術、責任を求める企業もあります。
そのため、インフラエンジニアの需要は「求人が多いか少ないか」だけではなく、企業がどのような仕事を任せるために、どのような人材を求めているのかから判断する必要があります。
この記事では、企業側の求人要求を工程・技術・責任から分類し、求人ごとの要求条件を比較します。
そのうえで、求人数という「量」と、企業が求める人材条件という「需要の質」を切り分け、自分の現在条件と照合します。
最後に、企業側の要求から、どのような人材条件に需要が成立しているのかを確定します。
この記事でわかること
- インフラエンジニアの需要を求人件数だけで判断できない理由
- 企業が求める条件を工程・技術・責任から分類する方法
- 求人ごとに求められる人材条件が異なる理由
- 求人数と需要の質を切り分ける方法
- 自分の現在条件と企業側の要求条件を照合する方法
- どの人材条件に需要が成立しているのかを判断する方法
求人数が多くても、需要のある人材像までは分からない
求人数だけでは需要を判断できない
インフラエンジニアの需要を考えるとき、求人件数は一つの情報になります。
ただし、求人件数だけでは、企業がどのような人材を必要としているのかまでは分かりません。
同じ「インフラエンジニア」の求人でも、任せる仕事内容や必要な技術、担当する責任の範囲が異なるためです。
そのため、求人の数を確認しただけで「インフラエンジニアには需要がある」「需要がない」と判断することはできません。
同じ職種でも、求められる人材は同じではない
企業によって、インフラエンジニアに任せたい仕事は異なります。
たとえば、監視や定型対応を中心とする求人と、障害原因の調査や構築を担当する求人では、必要となる実務経験が同じとは限りません。
つまり、職種名が同じでも、企業側が求めている条件には違いがあります。
需要を判断するには、まずこの違いを分けて見る必要があります。
企業側の求人要求を工程・技術・責任から分類する
企業がインフラエンジニアに求める条件は、少なくとも次の3つに分けて確認できます。
| 分類 | 確認する内容 |
|---|---|
| 工程 | どの仕事を任せるのか |
| 技術 | 何を扱う実務能力を求めるのか |
| 責任 | どこまでの範囲を担当させるのか |
この3つを分けることで、「インフラエンジニア」という職種名だけでは見えない要求条件を確認できます。
工程から、任せたい仕事を分類する
まず確認するのは、企業がどの工程を任せようとしているかです。
監視、運用、障害対応、構築など、求人によって担当する工程は異なります。
ここでは職種名ではなく、実際に任せる仕事を見ることが重要です。
技術から、必要とされる実務を分類する
次に、どのような技術を扱うことが求められているかを確認します。
サーバー、ネットワークなど、求人によって必要とされる技術領域は異なります。
同じ工程でも扱う技術が違えば、企業側が求める実務経験も変わります。
責任から、求められる担当範囲を分類する
最後に、どこまでの責任を担当するのかを確認します。
決められた作業を実行するのか、障害原因を調査して対応するのか、構築した環境の結果まで確認するのかによって、企業が求める担当範囲は変わります。
この違いも、人材条件を判断するための材料になります。
求人ごとに、要求される人材像の違いを比較する
求人ごとの要求を並べる
企業側の要求を工程・技術・責任に分けると、求人ごとの違いを比較できます。
| 求人 | 工程 | 技術 | 責任 |
|---|---|---|---|
| A | 監視・定型対応 | 監視対象の運用技術 | 決められた作業の実行 |
| B | 障害対応・障害調査 | ネットワーク・サーバー | 原因調査と対応 |
| C | 構築 | サーバー・ネットワーク構築 | 構築作業と結果の確認 |
このように並べると、同じインフラエンジニアの求人でも、企業が任せたい仕事には違いがあることが分かります。
求人ごとの要求条件の違いを確認する
Aでは決められた作業を実行することが中心ですが、Bでは原因調査と対応まで求められています。
Cでは、構築作業だけでなく、その結果を確認することまで担当範囲に含まれています。
つまり、企業側の要求条件は一律ではありません。
工程・技術・責任の違いを比較することで、求人ごとに求められる人材条件の違いを確認できます。
求人数と需要の質を切り分ける
求人数は「量」を示す
求人件数が多い場合、それだけ多くの企業がインフラエンジニアを募集していることを示します。
ただし、求人件数だけでは、どのような条件を持つ人材に需要があるのかまでは分かりません。
求人件数はあくまで需要の「量」を見るための情報です。
需要の質は「要求条件の違い」から見る
需要の質を見るには、企業がどのような条件を求めているかを確認します。
企業が求める条件が違う
↓
任せたい仕事が違う
↓
必要となる人材条件が違う
↓
需要が成立する人材の範囲も変わる
このため、「インフラエンジニア」という職種全体の需要だけを見るのではなく、どの条件を持つ人材に企業側の要求が集中しているのかを見る必要があります。
「需要がない」と「条件が限られている」は違う
「インフラエンジニアの求人が少ない」と「自分に合う求人が少ない」は同じではありません。
さらに、求人が存在していても、企業が求める条件と自分の現在条件が一致していなければ、その求人では需要が成立しません。
そのため、次の3つを分けて考える必要があります。
- 求人そのものが少ない
- 自分に合う求人が少ない
- 企業が求める条件と自分の現在条件が一致していない
ここを分けることで、「需要がない」という判断が、求人全体の問題なのか、自分の条件との不一致なのかを区別できます。
自分の現在条件と企業の要求条件を照合する
現在担当している工程を確認する
企業側の要求条件を整理したら、自分が現在どの工程を担当しているのかを確認します。
監視、運用、障害対応、構築など、自分が実際に担当している工程を企業側の要求と照合します。
現在扱っている技術を確認する
次に、自分が現在扱っている技術を確認します。
企業側が求める技術と、自分が実際に扱っている技術を比較することで、要求条件との一致・不一致を確認できます。
現在担っている責任を確認する
最後に、自分が現在どこまでの責任を担っているのかを確認します。
決められた作業を実行しているのか、原因調査まで担当しているのか、構築した環境の結果まで確認しているのかによって、企業側の要求との一致条件は変わります。
自分の現在の担当条件を確認するときは、仕事内容を職種名だけで判断せず、実際に何を任されているかまで分けて確認する必要があります。
現在の担当範囲そのものを整理したい場合は、インフラエンジニア現在地診断|今の仕事内容からキャリアの現在地を確認するで確認できます。
需要が成立する人材条件を確定する
ここまでで、企業側の要求条件を工程・技術・責任から分類し、求人ごとの違いと需要の質を比較しました。
最後に、企業側の要求から、どの人材条件に需要が成立しているのかを確定します。
需要成立人材条件を確定する
需要成立人材条件は、企業が求めている工程・技術・責任の組み合わせから判断します。
たとえば、企業側が特定の工程を任せることに加えて、その工程で必要となる技術と一定範囲の責任を求めているのであれば、その条件を満たせる人材に需要が成立します。
つまり、需要成立人材条件は「インフラエンジニアだから需要がある」という職種単位の判断ではありません。
企業が任せたい仕事を担うために必要な工程・技術・責任の条件を満たせるかによって、需要の所在を確定します。
まとめ
インフラエンジニアの需要は、単純な求人数だけでは判断できません。
判断する手順は次の6段階です。
- 需要を企業側の要求として定義する
- 工程・技術・責任ごとの求人要求を分類する
- 要求される人材像の違いを比較する
- 求人数と需要の質を切り分ける
- 自分の担当能力と要求条件を照合する
- 需要が成立する人材条件を確定する
「インフラエンジニアは需要がない」と一括りにするのではなく、企業が何を任せたいのか、その条件を担えるどのような人材に需要が成立しているのかを見ることで、需要の所在を判断できます。
